雲台とは
雲台とはWikipediaによりますと、カメラや双眼鏡など、光学機器と三脚などの架台本体のあいだに入れ、それらの光学機器を自由な方向にむけて固定するためのもの。という説明となっています。英語ではTripod Head、ドイツ語ではStativköpfeと呼ばれています。
ではなぜ「雲台」と呼ばれているのでしょうか?実は雲台の語源はハッキリしません。ベルボンのパンフレットによると雲台の語源は、行燈の基台部を雲台といっていたことからきている説が一般的らしいです。
他にも諸説あって…
カメラを「運ぶ」「台」、つまり「運台(うんだい)」の運を雲に文字を変えたのではないか?という説、見たまんま、山(三脚)の頂上に雲が掛かっている位置にあるから、という説、「蜘蛛台(くもだい)」の蜘蛛を雲に変えて「うんだい」と呼び名を変えたという説まであります。
どれもこれも最もらしい説ですが、真実は雲の中。です。
雲台の種類
ともかく雲台とは三脚に取り付けてカメラを色々な角度にセッティングするための装置です。雲台は様々な種類がありますが、大きく分けて…なんて私は言いません。可能な限り全部書きます。
- 自由雲台
- 1〜5WAY雲台
- 一脚専用雲台
- ビデオ雲台
- ジンバル雲台
- ギア雲台
- パノラマ雲台
- ピストルグリップ雲台
- 微動雲台(赤道儀用)
他にも自由雲台とギア雲台のハイブリッドタイプや、パノラマとジンバルを合体したパノ・ジンバル雲台というものもあります。ジンバルやビデオ雲台の中には、油圧で制御できる製品もあり、細かく分類すると数十種類に及ぶでしょう。
その雲台選びはもう古い!常識は変わったのだ
よく入門記事や雑誌には、その中でもっともメジャーな雲台は自由雲台か3WAY雲台なので、まずはこの二つから覚えよう!みたいなやつがありますが、そんな常識はすでに大昔のものです。最初から色々な雲台があることを知って、一番自分に合っているものを選ぶ方が、絶対に良い雲台に巡り会える近道だと私は思います。それに「雲台」を調べて買おうと思っている人はすでにどちらかの雲台を使ったことがあると思いますしね。
一番良いのはヨドバシカメラなど三脚がたくさん置いてある店舗に行き、実際に触ってみることです。それが難しいようでしたらyoutubeで検索して実際の動きを動画でチェックしましょう。写真で見るよりもずっと参考になると思います。
初めての雲台にギア雲台という選択肢
私がまずお勧めしたい雲台はギア雲台です。ギア雲台とは歯車の噛み合わせで微調整できる雲台で、ざっくり構図を合わせた後、微調整で微妙な位置合わせを完璧に行うことができます。特に風景を撮る人、商品撮影などをしたい人にお勧めです。どこのサイトをみても雑誌を読んでも、初心者にこの雲台を勧めているのを見たことがありません。しかしこれほどまでに初心者向けの操作性なのに、なぜ初心者に勧めちゃいけないのか、私の方こそ意味が分かりません。ちょっと値段が高いからですかね?それでは実用的な中からもっとも安いマンフロット410という製品をお勧めしておきたいと思います。
これからはアルカスイス互換がスタンダードになる
これからはアルカスイス互換雲台がスタンダードになります。シグマやタムロンといったレンズメーカーが標準でレンズフットを互換化させ、Gitzoなど三脚最高峰メーカーも採用しています。この流れはいずれ三脚雲台界をすべて飲み込んでしまうでしょう。アルカスイス互換が何か分からなくても、三脚がたくさん並んでいる売り場に行って、店員さんに「アルカスイス互換の自由雲台はどれですか?」と聞けばすぐ教えてくれます。安いものでしたら品質は似たり寄ったりですので、まずはSIRUIやMarsaceなど中国メーカーからスタートしてみるのも良いと思います。
取り敢えず、この二つを使ってみれば雲台の考え方がガラリと変わります。そこで満足してしまう方もいるでしょう。中には深みにハマってどんどん雲台の魅力に取り憑かれてしまう人も出てくるはずです。
そういった方々が最後にたどり着く先の一台も書いておきますね ^^
沼に脚をとられ最後に掴む雲台
3WAY雲台:トヨ商事 ハスキー3D雲台
よく初心者向けにハスキー(Husky)を勧める方がいますが、初心者がこんな重い雲台を使いこなすのは難しいです。この雲台の良さは何と言っても剛性です。100kgの機材でも固定し、多少雑に扱っても故障しません。機材に気を使わずに撮影に集中したい人にお勧めの一台です。3WAYはここで止まる人が大半ですが、たまに拗らせるとプロスパインというメーカーまで沈んでしまう人もいますので注意が必要です。
自由雲台:アルカスイスZ1+
自由雲台の最高峰は、アルカスイスZ1+かReallyRightStuffのBH-55です。ボールの操作性ならアルカスイス、クランプを重視するならReallyRightStuffがお勧めです。どちらを選んでも決して後悔しないと思います。
ギア雲台:アルカスイス C1 CUBE GP
もうこれを買っておけば注目度&自己満足度はナンバー1です。商品撮影など仕事で使いたい場合はアルカスイス d4 GPの方が良いかもしれません。
パノ・ジンバル雲台:ReallyRightStuff FG-02
油圧式ではないPG-02でも十分です。…がやはり上位機種が気になるものです。気になって気になって仕方がなくて眠れなくなった人々がたどり着く一台です。操作性はもちろん最高です。
ビデオ雲台:ReallyRightStuff FH-350
ビデオ雲台といえばザハトラーが有名ですが、油圧式のビデオ雲台の方が操作性は圧倒的に上です。特にReallyRightStuffのFH-350はずば抜けて操作性が良いので、ちょっと高いですがお勧めしたいと思います。
ハイブリッド雲台:アルカスイス P0 Hybrid
圧倒的な操作性を追求したい方はこの雲台が超お勧めです。自由雲台とギア雲台の良いとこ取りをしたような雲台で、値段さえ安ければ爆発的ヒットを起こしたと思います。でも良いものは高いのです。
超小型雲台:ReallyRightStuff BC-18
これを雲台と呼んで良いのか疑問に思う人もいるかもしれませんが、紛れもなく雲台です。おそらく世界最小の雲台だと思います。しかし固定力は最小どころか、Nikonのフルサイズ&サンニッパだって固定できちゃう力持ち。バッグに忍ばせておけば、写真の世界が広がる頼れる雲台です。これは全フォトグラファーにお勧めの一品です。
雨用雲台:アクラテック Nomad
雨だろうが雪だろうが、たとえ海の底に沈もうが洗って使える雲台、それがアクラテック Nomadです。他の雲台なら後々のメンテナンスが面倒そうなシーンでもアクラテックなら乗り越えられるでしょう。梅雨時期は特にお勧めです。
最後に
魅惑の雲台の世界はいかがでしたでしょうか?今は何のことか分からなくても、ここまで読んでくれた方は、いつかきっとこの魅力に取り憑かれるはずです。良い雲台は非常に価格が高いです。しかし今回ご紹介した製品はその価値に見合うものばかりですので、ぜひ機会がありましたら触れてみてください。ではではー
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