PLV-001レビュー これ以上の水準器は出ないと思うが、使いやすいとは言ってない

まずは外付け水準器って必要なの?って方はこちらの記事をお読みください。

こちら→ 水準器なんてカメラ内蔵で十分?その疑問に答えます

とことん水平にこだわった水準器「PLV-001」をとうとう買ってしまいました。だって最後の1個だって言うんだもん。紹介したところでもう誰も買うことができないという、なんとも虚しくも自分勝手なレビューを書きたいと思います。

外観

水準器 PLV-001

目が飛び出るような価格ですが、なるほど確かに納得の出来栄えで、水準器にありがちなカメラのホットシューに載せた時の安っぽさは一切はありません。「MADE IN JAPAN」に相応しい完成度です。

水準器の直径は37mmもある大口径光学ガラスが使用されており、国内の熟練した技術者によるハンドメイドによる仕上げだそう。

下部ローレットがネジとなっており、この部分を回すことによってホットシューに固定できます。カメラのホットシューの上部との接触部分には樹脂素材を使用し、ホットシュー表面に傷を付けない工夫がされています。樹脂素材なのであまり強く締めすぎないように注意が必要。

スペック

サイズ:直径約45mm、高さ約30mm
重さ:約75g
水準器部:直径37mm 光学ガラス、アルコール
ケース部:アルミ削り出し、アルマイト塗装仕上げ、一部樹脂使用

蓄光機能付き

水準器 PLV-001

LEDライトを数秒当てるだけで、暗闇の中で怪しく光ります。10秒間当てると約5分光ってくれます。

めちゃくちゃ高精度!

はっきり言ってカメラ用水準器としてはオーバースペックな気がしますが、とことんこだわるという姿勢が良いと思います。1目盛りが0.25度になっていますが、1目盛りの間隔が広いので0.1度レベルの追い込みが可能です。

しかしカメラのホットシュー自体がそんなに高精度で水平が出ているのか?とかLブラケットの精度が悪くて水平が狂ってしまうのでは?という疑問が頭をよぎります。

実際このレベルの水準器になると、カメラのイメージセンサーとホットシューの取り付け面の組み立て精度など、正確な水平が得られない場合があります。試しにNikon Z6とZ50で試してみましたが、わずかな誤差がありました。その誤差を修正するためにセンターマークシールが3枚付属されていますので、使用機材に合わせてマーキングできます。

水準器 PLV-001

ただ元の精度がぶっちぎりで高いので、ここまで追い込まなくても良いかな?とは思います。そもそも重いレンズをつけるとほんの少し角度が変わったりしますしね。

縦位置シューアダプター

今回どうせなので縦位置シューアダプターも購入しました。これだけで約5000円です。私が使ってきたどの水準器よりもアダプターの時点で高いです。もうヤケクソです。

縦位置シューアダプターはキューブ状のベースに、オリジナルシューアダプターが1個取り付けられています。シューアダプターは1/4インチネジ1本で止まっているだけなので、簡単に取り付け位置や方向を変えることができます。…が、取り付け方向を変更すると水平が狂う場合があるとのことなので、よほどの理由がない限り変えない方が良いでしょう。

実際使ってみた感想としては、ホットシュー取り付け部分に遊びがあるので、完璧な位置で取り付けないと精度が出ません。最初に横位置で完璧に合わせてから縦位置にセットして水準器を見ながらホットシューにセットする。といった手順が必要になります。高い割に手がかかるなぁというのが本音です。

長所

デジタルカメラの加速度センサーは使ううちにずれる場合があります。しかし、アナログ水準器は【原則として】半永久的に調整の必要はありません。(原則として…というのは例えば落下させてしまったり、使用温度の範囲を超えた環境で使うことによる変形が起こしていない場合)

短所

撮影は水平方向ばかりではありません。仰俯角に対して、この水準器は対応していません。ただ気泡の偏りを見ながらざっくり合わせる程度なら可能です。

開発者である杉本氏はこういった質問に対して、GANREFの記事のコメント欄で次のように回答しています。

「基本は三脚のベース部分の水平を確保し、雲台の上面に対して(上下パンの軸に対して)カメラがほぼ平行に取り付けられていれば、水平をとった後、カメラを上下にふった場合でも水平のズレは許容範囲に収まると思います。」GANREFの記事のコメント欄より引用

と回答されています。確かにそうですが、ただこの方法ですと、完璧な水平の追い込みはできません。これは単なる撮影テクニックであって、PLV-001のコンセプトからかけ離れた回答と言わざるを得ません。そもそも自由雲台では使えないテクニックです。

明るい日中ですと、アルコール色が薄いのか、はたまたケース内側の色が淡すぎるのか理由は分かりませんが、ちょっと気泡が見にくいです。

あとは値段が高いです。縦位置シューアダプターセットで約3.5万円というのは後にも先にもこれしか無いのではないでしょうか?それですべての水平が完璧に合わせられるのであれば良いですが、制約が多すぎるのが悩ましいです。

注意点

作動環境は気温0℃〜50℃です。50℃以上の環境で使用したり保管すると水準器本体が破損する場合があります。最近はめちゃくちゃ暑いので車内に置きっぱなしにしたり、炎天下の撮影でカメラに付けっぱなし、というのは控えた方が良いでしょう。

まとめ

さて今回はぶっ飛んだ水準器「PLV-001」をご紹介しました。もう販売されていないので、お勧めする・しないというのはありません。私はずっと気になっていたので、手に入れて心のもやもやが晴れました。手放さずに愛用していこうと思います。

最後におすすめ水準器のご紹介

今回、一般的なカメラ用水準器の精度も比較してみました。その中でもっとも精度が良かったのは、ハクバの2WAYレベラーKPA-02でした(精度は個体差があるかもしれません)。アルコール色もハッキリしていて、非常に見やすいです。変形にも強いので扱いが雑でも精度に狂いが出にくいのが良いですね。蓄光機能が付いていたら最高だったかもしれません。もうすでに10年近く使っている気がしますが、結局これまで買った中でこれが一番使いやすいです。超おすすめです!

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haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!
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