ブツ撮り編でホワイトバランスのことを取り上げるのを忘れていましたね。今回はホワイトバランスの設定&補正について書きたいと思います。
ホワイトバランスとは
まずはホワイトバランス(White Balance/Color Balance)とは?というベタな説明をします。
人間の視覚は、光源の影響で、実際は赤く、あるいは青いはずのに、無意識に補正して、自然な色合いで対象を見る機能が備わっています。しかしカメラは人間ほど高機能ではありません。
それを補うのがホワイトバランス(以下略WB)であり、あらゆる光源の元で、正しい(もしくは自分が望んだ)色調の写真を得るための補正調整機能です。
WB機能の種類
デジタルカメラは、オートやマニュアル、あるいはシーンに合わせたホワイトバランス調整機能を持っています。WB機能には、以下のような様々な種類があります。
オート
撮影対象の光源の状況を、画像エンジンが自動で判断し、適正な色設定に変更してくれます。
ただしオートWBも万能ではなく、カメラによってオートの中でも数種類、設定を設けているものもあります。NikonのZ6はオートでも3種類あり、上の画像のようにそれぞれ微妙に色温度が異なります。(左からオート0、オート1、オート2、プリセットWB)
オート0は「白を優先する」モード。うーん、なんとなく分かるような気がしますね。一番左、確かに仕上がりが白っぽいです。左から3つ目のオート2は「電球色を残す」。電球色が使われていないので、あまりオート1との差がありません。
問題はオート1です。
雰囲気を残す。オートというだけでも曖昧なのに、さらに雰囲気で色を出すというのですから、なんかもう色っぽいです。今後はどうせオートで撮るならオート1ですね。
シーンWB
大抵のデジタルカメラには晴天や曇天・電球光・蛍光灯など、あらかじめ用意されている設定から、WBを選択できます。
プリセットWB
プリセットホワイトバランス・マニュアルホワイトバランス・カスタムホワイトバランスなど、メーカーによって名称は様々ですが、色基準となるグレーカード(露出確認用の18パーセントグレー)などをカメラに測定させ、それを基準として設定する方法です。
左がオートWB、右がプリセットWBで撮影。最初に設定しておくことで、同じ光源下で撮影する場合、非常に便利です。
色温度指定
色温度を直接数値で変更したり、スライドバー操作などでマニュアル変更できる設定方法です。早朝や夕方など目まぐるしく色温度が変わっていく場合はこの方法が便利です。
画像編集アプリでのWB補正
撮影の際、カラーチャート、またはグレーカードを一緒に写し込むことで、後でLightroomやPhotoshopなどの画像編集アプリでWBを補正することができます。プリセットの場合、グレーカードがある程度大きくないと設定できない場合がありますが、この場合は小さくても大丈夫です。グレーカードを小さくカットして、カードケースなどに収納して持ち歩く事もできて便利です。
左側6枚がシーンWBで撮影したもの。左側6枚がそのjpg画像をLightroomの「ホワイトバランス選択」でグレーカードを選択して補正をかけたもの。このようにあえて「電球」や「蛍光灯」といったシーンWBで撮影したものでなければ、グレーカードを写し込んでおくと、後で補正できます。今回はjpgから補正を掛けましたが、RAW現像ならさらに高品質で補正が可能です。
グレーカードは経年劣化する
グレーカードは印刷物ですから、当然経年劣化によって色が変わってしまいます。下のカットした大小2枚のカードは、小さい方が5年前に使い始めた物で、大きい方は3年前から使い始めたものです。どちらも劣化し、元の色ではなくなっていますが、一見して元が一枚のカードであったことが信じられないほど、色が変わってしまっています。
当然ですが、このカードでWBを設定すると、上のように違った結果に補正されてしまいます。期限などが記載されている訳ではありませんが、目に見えた劣化を感じる前に交換することが大切です。
おすすめのグレーカード
おすすめのグレーカードはド定番ですが銀一の「シルクグレーカードVer.2」です。
反射率18%グレー、反射率約50%のライトグレーをシルクスクリーンにて印刷し、調整用途の幅を広げています。安心の日本製です。また2枚入り2千円程度と価格もそこまで高額でないのも、消耗品としては嬉しいところ。
ブツ撮りする人は撮影効率が飛躍的に上がりますので、絶対に持っていた方が良いアイテムです。


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