今回は三脚のトラブルのひとつ「共回り」です。この記事は初心者の方、マニアの方、両方に読んで欲しい記事です。
共回りとはロックナットの操作時に、一緒に下のパイプが回ってしまいロックが正常に機能しない事です。最悪の場合、空転しっぱなしで脚が伸ばせなかったり、空転防止用の凹凸により、ホースという樹脂製の部品が割れてしまう事があるので注意が必要です。
今回はこの共回りの原因を知り、そうならないために普段心掛ける事を書きたいと思います。
まず上のイラストが外側のパイプ(雲台側のパイプ)だとします。赤く塗った部分が空転防止用の突起です。
次に内側のパイプ(石突側のパイプ)です。外側に樹脂製のホースと呼ばれる部品を付けて、空いている隙間に先程の突起を合わせることで空転を防止しています。
合わせると、上のようになります。
良く見かけるのが、ロックナット全部を握って一気に解除や固定する方法。この方法はさほど影響はないと思いますが、ホース空転防止突起に強い負荷をかける可能性があることから、「ダメージを与える可能性がある」と思っておいてください。あくまでも「懸念がある」という程度ですので、神経質になるほどではありません。
明らかに悪いのが、雲台側の脚のロック(上側のロック)が緩んだ状態で、石突側の脚のロック(それより下側のロック)を操作する方法。これは空転防止機構に大きなダメージを与えます。こちらに関しては「ダメージを与える可能性がある」という生温い言い方ではなく「ダメージを与えます」。
それはなぜか?
上のロックが解除された状態で下のロックを回すという事は、内部では上図のような状態になっています。ロックを解除する時って相当な力が掛かっていますから、この部分に掛かる負荷は相当なものです。
何年も無理をさせている間に、やがて上図のように欠けていきます。
そして泥濘にはまった車のタイヤが、板を利用して脱出するかのように、やがて乗り越えてしまい共回りしてしまうのです。ホースだけなら簡単に買い替えが可能ですが、パイプの内側の突起が削れた場合、補修は不可能です。
全ロック操作に関してはメーカー側がイベント等で行っている事もあり、随分多くの方が操作されています。私もそうでした。確かに素早くセットアップ出来るというメリットもあります。三脚を消耗品と考えるならば、間違っているとは言えないでしょう。またただちにダメージを与えるほどの、強い衝撃ではありません。
私のGitzo GT2540FTもこのように削れてしまって空転が始まっています。私は三脚が大好きなので、削れてしまった事がとても残念でなりません。悲しい思いをしないためにも、ほんの少し心に留めて頂ければ嬉しく思います。ではではー


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