アルミ合金製のクイックシュークランプやプレートを長年使っていますと、何かにぶつけてしまったり、落下や転倒をさせたりして、傷付いてしまうことがあります。
幸い傷は無いという方でも、さすがにクランプとプレートの擦り傷なんかは使っていれば避けることはできません。
撮影しているからこそ付いてしまう傷ですので、ある意味「名誉の負傷」とも言えるでしょう。
しかし傷が入った状態ではアルミニウムが剥き出しとなっていますので自然酸化皮膜は生成するものの、水分などが付着すると腐食の可能性があるため補修しておく方が良いと言われています。
アルミ製のクランプやプレートはアルマイト加工されている
まず補修の前に一般的なアルミ合金製のクイックシュークランプやプレートに施された塗装について説明します。
アルミニウムは酸素と結びつきやすく、空気に触れていると非常に薄い酸化皮膜を作ります。
この自然に作られる皮膜で保護されているので一般的に錆びにくい金属といわれています。しかし、この皮膜は非常に薄いので、環境によっては化学反応で腐食してしまいます。
アルマイトは塗装目的だけではなく、そういった腐食から保護する役割もあります。
ではアルマイトが傷付いたら、アルマイトをやり直せば良いのでは?と思われるかもしれませんが、そう簡単な話しではありません。
なぜなら、アルマイトは皮膜を作る際にアルミに侵食してしまうため、剥がせば元の素材よりやせてしまうため、寸法精度が変化してしまうからです。
アルマイトを剥がして再度アルマイトするということは、この侵食された分だけ(実際にはそれ以上)痩せてしまう。という訳です。
さてそれではどのように補修すれば良いのでしょうか?
今回は素人でもできる簡単な補修方法をご紹介したいと思います。
補修方法
まずはじめに断っておきますが、今回ご紹介する補修方法はアルマイト皮膜を生成するわけではありません。
それでも水分などの付着による腐食を防止したり、腐食の進行を遅らせる効果は期待できます。
それではこの小傷がたくさん付いているクランプを補修していきます。
使う補修剤はアルミ建材用フエルトペン。私はモノタロウで購入しました。
これをよく振って中身を十分攪拌させてから傷を塗っていきます。
これで完了です。あえて光を当てたり、まじまじと近くで見ない限り補修したことに気づく方はいないでしょう。
それでももしどうしても見た目が気になるなら、十分乾いた後に超極細のコンパウンドで磨くという手もありますが、使っていればすぐに傷付きますし、研磨過程で元のアルマイトへのダメージも考えられるので、個人的にはフエルトペンのみで良いのではないかと思います。
乾燥後は濡れたウエスでゴシゴシ拭いても簡単に剥げることはありません。ただブレーキパーツクリーナーやアルコールで拭いてしまうと簡単に溶けてしまいますので、その点だけは注意が必要です。
他にも車用のタッチアップペイントで補修する方もいらっしゃいますが、薄いプラスチック容器くらいなら溶かしてしまうほどの強い有機溶剤が成分として入っていますので、アルミ素材への攻撃性がどれほどのものか判断しかねます。
タッチアップペイントの方がアルミ建材用フエルトペンよりも仕上がりが美しく、耐久性が高いのは間違いないですが、今回の記事のテーマである「腐食を防ぐ」「腐食の進行を遅らせる」以上のダメージに繋がる可能性がありますので、紹介は控えさせていただきます。
最新記事 by haku (全て見る)
- note はじめました - 7月 2, 2024
- うずまきのひびき 〜流体のダイナミズムと美学〜 - 6月 24, 2024
- シルバーアクセサリーを格好良く撮影しよう - 6月 12, 2024