STAHLWILLE(スタビレー)のトルクレンチって格好良いですよね。
でもよ〜く見ると、一般的なトルクレンチと違ってソケットを差し込むドライブが見当たりません。
この状態ではただの棒。トルクレンチとして使用する事はできません。
トルクレンチとして使うには「差し替えヘッド」が必要です。
STAHLWILLEから色々な差し込み式ヘッドが販売されていますので、その中から自分の用途に合ったヘッドを選んで購入しないといけません。
ちなみにヘッドはプッシュリリース式ですので、ボタンひとつで簡単に脱着できます。
ヘッド差し替え式のメリット
ヘッド差し替え式のメリットは結構あります。
まずはラチェット部分が故障した場合、ヘッド一体型のトルクレンチだと、最悪買い替えなければいけませんが、差し替え式のトルクレンチですとヘッドのみ買い換えれば修理が完了します。
次に一体型のトルクレンチだとドライブ(差込角)のサイズは基本的に一種類です。しかし差し替え式のトルクレンチだと、大きさが異なるソケットが混在していたとしても、ヘッドを使い分ければ一本で対応できます。
作業環境によってはボックスソケットが使えない場合があります。たとえばエアコンのフレア管継手にはソケットが入りません。またソケットが入るスペースがないような狭い箇所ではメガネレンチを使いたい時もあるでしょう。
そういった場合でも、ヘッド差し替え式であれば、ヘッドを交換するだけであらゆるネジ・ボルトのトルク管理が可能となるわけです。
ヘッド差し替え式のデメリット
デメリット・注意点もあります。
まずは注意点。STAHLWILLEのトルクレンチだからと言って、STAHLWILLEのヘッドがすべて差し込めるわけではありません。
差し込みヘッドには「ジョイントサイズ」という物があり、トルクレンチとヘッドのジョイントサイズは、同じサイズで組み合わせる必要があります。
きちんとした工具店ですと、かならず説明欄にジョイントサイズが表記されていますので、購入する際には必ずチェックしましょう。
デメリットはひとつひとつのヘッドの値段がアホみたいに高いこと!いや冗談抜きでマジで高いです。私が購入した725QR/5も14,000円もしました。枚数30ギアのラチェットヘッドが14,000円…。14,000円あったら超高級なレンチセットが買えますよ。信じられません。
スパナタイプでも6〜9千円と2個くらい買っただけで、そこそこ良いトルクレンチが買えちゃいます。
次にヘッドによっては、通常ヘッドと長さが異なる製品があります。
通常ヘッドより少しでも長いヘッドを取り付けた場合、設定したトルク値より大きなトルクがかかります。その場合は、面倒くさいトルク換算をする必要があるのです。
デメリットの解決方法
トルクレンチ自体が悩ましい金額なのに、ヘッドにもそんなにお金がかかるなんてっ!
そんなの揃えるのなんて無理だ…
と、心が折れたみなさま、ご安心ください。
実はSTAHLWILLEのヘッドと互換性があるメーカーがあります。
ラチェットハンドルとソケットのように、異なるメーカーであってもジョイントサイズさえ同じであれば使い回すことができるのです。
中でもお勧めしたいのはDeenの差し替えヘッド。歯数は72枚。お値段はSTAHLWILLEの同等品の1/3程度とかなりお買い得です。
Deenは正式にSTAHLWILLEとの互換性を謳っていますし、ヘッドサイズも同じですので、面倒な換算も必要ありません。念のためドライブの中心までの距離を測ってみましたが、確かに同じ仕様です。
ただしジョイント部の厚みは微妙(0.1mm)に薄く、クイックリリースのピンは何と1mm以上も短いです。そのためヘッドを掴んで持ち上げると簡単にトルクレンチから外れてしまいます。
一応この問題はジョイント部にマスキングテープなどを貼って、厚くすることで解決できます。
Deenの他にも正式に互換性は謳われていないのですが、実際に装着できるメーカーのヘッドがあります。たとえばモノタロウで販売されている超安価な差し替えヘッドも装着可能です。お値段なんと1,969円。歯数は72枚。低トルクでしか使っていないので、耐トルク性能や耐久性は分かりません。
こちらもSTAHLWILLEの抜け防止用のピンより1mm以上短いです。同じようにテープで厚みを嵩増ししました。
ドライブの中心までの距離を測ってみましたが、STAHLWILLEと同じ仕様のようです。面倒な換算の必要はありません。
他にもモノタロウブランドだと、メガネの差し替えヘッドが1,419円!めっちゃ安いっ!STAHLWILLEの1/4くらいでしょうか。これならSTAHLWILLEのトルクレンチを存分に活かす事ができそうです。
まとめ
STAHLWILLEのトルクレンチはとても素晴らしい工具です。
お値段はかなり高いですが、それだけの価値はあると思います。
しかし残念ながら差し替えヘッドには、お値段に見合うほどの価値を感じません。
それが私がSTAHLWILLEのトルクレンチの導入を躊躇っていた一番の理由でした。
その悩みが解消されたので購入に至りました。
もし同じように差し替えヘッドでお悩みの方がいらっしゃったら、ぜひ参考にしてみてください。
|
最新記事 by haku (全て見る)
- 新たな中華製 Nikon Zf専用のLブラケットを発見! JLwin JL-Zf レビュー&カスタム - 9月 18, 2024
- note はじめました - 7月 2, 2024
- うずまきのひびき 〜流体のダイナミズムと美学〜 - 6月 24, 2024