良い三脚選び・悪い三脚選び

今回は良い三脚の選び方のお話。随分昔に似たような内容の記事をYahoo!ブログで書きましたが、当時と少し考えも変わってますので、リライトすることにしました。

もちろん「良い・悪い」という感想は個人の価値観ですから「ああ、そんな考え方の人がいるのだな」という程度に読んで頂けると幸いです。

初めての三脚

初めて三脚を買うという方は「良い悪い」に基準が分からないと思います。まずは自分の持っているカメラの大きさや重量と、三脚の用途から選んでみましょう。将来使うかどうかも分からない三脚に大金を掛けるのもどうかと思いますので、5千円〜1万円以内の中から選んでみると良いと思います。
選ぶポイントは以下の3点です。
  1. 耐荷重
  2. センターポールを伸ばさない高さ
  3. 縮長と段数
耐荷重とは何kgまで機材を載せれるか?ということです。この耐荷重には各メーカーが独自で試算したもので、規格は存在しません。そのため一番バランスの良い状態で、積載機材を動かさずに、三脚が壊れない荷重を耐荷重として、公表している可能性があります。しかし実際には機材を載せて操作しますので、三脚にかかる負担は機材の重さ以上となります。三脚を選ぶ時はメーカー発表の耐荷重の1/2程度として考えるように心がけましょう。例えば2kgの機材をお使いでしたら、最低でも耐荷重4kgの三脚を選んでほしいということです。
三脚にはセンターポールという機構が付いています。3本の脚とは別に中央に一本、高さを調整するためのポールが付いているのです。しかしこのポールは基本的に高さを稼ぐために存在しているものではなく、高さの微調整を目的としています。伸ばし過ぎは不安定になりますから、センターポールを伸ばした高さを基準に三脚選びをすると、風が強い日や振動が強い撮影場所ではブレブレ写真を量産してしまうことになります。
縮長は移動の手段や使っているバッグなどによって利便性が変わります。車移動なら縮長が長くても構いませんが、公共機関を使う場合はバッグなどに収納できる短いタイプの方が良いでしょう。しかし三脚の縮長が短いということは、イコール段数が増えるということです。そして段数は増えれば増えるほど下の脚が細くなります。細くなると言うことはそれだけ三脚としての強さもブレに対しても弱くなります。
良い三脚選び ~三脚雲台の超初心者向け~
SLIKやベルボンなら、アウトレットページがありますので、格安で手に入ります。メーカー直販のアウトレット品は傷こそありますが、きちんとした物が届くので安心度が高いです。自由雲台か3WAY雲台か、どちらかが三脚とセットになっているものを選ぶと良いと思います。

不満が出てきた時の次の一本

三脚を使っていると、次第に不満が出てきます。風や振動の影響を受けてブレてしまう。備え付けの雲台の固定力が弱く、望遠レンズだとズレてお辞儀する。開脚の角度が変えられず構図が単調になりがち。見た目が安っぽくて格好悪い。などなど色々理由があって買い替えたくなります。しかしこの段階ではまだ何を買えば良いか分からず、ネットなどで情報を集める方が多いでしょう。
そして某比較サイトの掲示板に辿り着き、先人の書き込みなんかを読んじゃう訳です。すると
「ジッツオを買えば最高。予算がないならハスキーかマンフロット。でも最近の中国メーカーはジッツオレベルに達してきていてコスパ良いよ」
という回答を目にしてしまいます。それは誰だってもちろん安い方が良いに決まっています。一般のアマチュアカメラマンが使う三脚の使用頻度なんて、たかだか知れています。下手したら1年に1回使っただけ~なんて人もいるでしょう。これまで三脚の使用が多くても年に5回程度なのであれば、現在の不満を解消してくれるスペックの中国製メーカーの三脚を選べば良いと思います。私は新品にこだわりがないので、予算2〜3万円くらいなら、マンフロットの055カーボン三脚あたりを中古品で探すと思います。
しかしここで知ってしまった【Gitzo】という存在が頭から離れなくなったら、もうあなたはこちら側の住人です。
良い三脚選び ~三脚雲台の初心者向け~
マンフロットの製品は他社と比較して、性能の割に価格が安いと私は思います。先程と同じようにメーカーのアウトレットがあります。こちらも傷はありますが、きちんと整備された物が届くので安心度・満足度が高いです。
悪い三脚選び ~三脚雲台の初心者向け~
「カーボン製」というだけで聞いた事もない中国メーカーの三脚が、Amaz●nなどで販売されています。アルミニウムは国際規格で素材の規定がありますが、カーボンにはそれがありません。ですので、ただのプラスチックパイプにカーボンフィルムを巻いただけでも「カーボン三脚」と謳えるということを知っておいて下さい。つまりただのプラスチック三脚を微妙に高い価格で買ってしまう事がないように注意しましょう。中国メーカーならSIRUIやLeofotoなどすでに有名になっているメーカーがありますので、そういうメーカーの中から選んだ方が安心だと思います。

【Gitzo】という存在が頭から離れなくなった方が選ぶべき次の一本

【Gitzo】という存在が頭から離れなくなったら、もう引き返せません。こういう方の行き着く先はジッツオやReally Right Stuffなどマニアックな世界です。こうなってしまうと無駄な遠回りはお金の無駄になりかねません。焦らずじっくり市場調査を行って、これだ!と思う製品を絞って貯金しましょう。この時、少しでも妥協すると後悔しかねませんので、はやる気持ちを抑えて目標金額に達するまで我慢する事が大切です。為替相場や言語の壁がありますが、海外のメーカー製品を買う場合は、個人輸入が得になる場合が多いです。ただマンフロットとジッツオに関しては、ヴァイテックイメージングが頑張っていますので、価格差がほとんどありません。また良質な中古品も多数出回っていますので、国内で買われた方が良いでしょう。
ぶっちゃけ5万円を超えた辺りからは、価格差ほど性能差はありません。5万円の三脚で撮った写真と、10万円の三脚で撮った写真を見比べても、判別するのは難しいでしょう。
ただ1カット2カットでは大差はありませんが、何百~何万枚と撮影を重ねる毎に、結果が変わってきます。ジッツオの三脚は確かに高過ぎると思いますが、そういった1カットの価値は、決してお金で買える物ではないと、私は思うのです。
良い三脚選び  ~三脚雲台の中・上級者向け~
出来るだけ妥協しない事。ただそれだけで三脚選びの失敗の確率はぐっと下がります。
悪い三脚選び ~三脚雲台の中・上級者向け~
どうしても今すぐ欲しいという衝動が抑えきれず、在庫ありの中から中途半端な製品を選んでしまったり、ほんの少しのお金をケチって型落ち品を買ってしまうと失敗の可能性が高まります。厳密にいうと失敗ではないのですが「やはりあっちにしておけば良かったかな?」という気持ちが、なかなか拭いきれないものです。復唱になりますが、機材選びで重要なことは、出来るだけ妥協しないこと。これを心掛けていれば、良い三脚選びができると思います。

まとめ

重さに耐えられる事、縮長が短い事、バッグに入る事、重い事、高さが2mを超える事、水や埃の侵入に強い事、ノブ式である事、レバー式である事、固定時にズレが少ない事、3WAYである事、自由雲台である事、軽い事、背が低い事、持っている雲台とバランスがいいこと、安いこと、デザインが良い事 等々…
三脚選びは人それぞれのニーズがあり、求める物が違います。カーボンである事や故障しにくい事は利点のひとつではありますが、ただちにそれが【良い】とイコールではありません。
私がジッツオが良いと思っていても、あなたにとって良いかどうか分かりません。
どうぞご自身にとって、何が良いか冷静に判断してください。最高の一本に出会えますように!
gitzo
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haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!

コメント

  1. makoto-z より:

    知った上で書かれているのか不明ですが、国内の三脚の耐荷重には日本写真映像用品工業会が定めた規格があります。突っ込みどころ多数で参考にならない事には変わりませんが、この規格にまで踏み込んだ深い記事は見かけないですねぇ。

    https://www.jpvaa.jp/tpd/pdf/jpvaa-s102-20150701-j.pdf

    • haku haku より:

      makoto-zさん、こんにちは。もちろん知っております。スタジオJinのサイトのハスキーの販売ページに詳しく書いてあるので、このブログをよく読んでる方なら、ほとんどの方がご存知だと思います。そしてその規格は日本映像用品工業会の定めた規定であり、海外製品に対しては国内代理店があっても、その試験方法では行われておりません。銀一ですら、RRSの算出した数値をそのまま記載しています。梅本製作所やトヨ商事も独自の算定です。

      http://www.umemoto.ecnet.jp/faq/faq.htm#q8
      https://atelierjin.com/shop/user_data/sp05_HUSKY.php
      踏み込んだ情報がないのは、あてにならない数値だからではないでしょうか?

      補足です。
      ベルボンさんに直接問い合わせて聞いた内容ですが、耐荷重の表記はベルボン独自で算出という事でした。ただし用品工業会の規格の数値は公開していませんが社内では運用しているそうです。
      一般の問い合わせで得られた回答ですので、makoto-zさんが問い合わせられても、同じ回答が得られると思います。

  2. 写真家 より:

    やっぱり、行きつくところはGITZO、Manfrott ですか。読んで損した気分。

    GITZOより安価でGITZOより優れた三脚でも紹介してくれるのかと思ったらがっかり、、、、

    当方、三脚6本使用しているが、すべてGITZO(4本=アルミ2、カーボン2)とManfrott(2本=アルミ1、カーボン1)それ以外のものは使っていない。

    • haku haku より:

      写真家さん、こんばんは。結果的に気分の悪い記事になってしまったようで申し訳ありません。私も散々色々とマイナー機種を使ってみた結果なんですが、やはりジッツオの完成度には届きませんでした。
      嘘の記事も書けません。でも次に書くときはもしかしたらManfrottoやジッツオを超えて、尚且つ安価な物も出ているかもしれません。
      また読んで頂ける嬉しいなと思います。
      ご意見ありがとうございました!

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