私のような半世紀生きた世代の写真家に「SDカードと言えば?」と尋ねれば「サンディスク!」と即答する方が多いのではないかと思います。
かつてはカメラメーカーのベンチマークでしたので、10年ほど前はSanDisk1強という感じでした。
しかし十年一昔という言葉があるように世の中は移り変わりが激しく、10年も経つともう昔のことになってしまうもの。
実際、私は現在1枚もSanDiskのSDカードを使っておらず、万が一メディアを挿し忘れた時用に御守りとしてポーチに入れているだけです。
なぜSanDisk離れを起こしたのか?最近はどんなカードを使っているのか?
今回はそんなお話しです。
ただ撮影用途によっておすすめするSDカードは変わりますので、今回私が「これが良いよ」とおすすめする物が必ずしも貴方のベストでは無いかもしれません。
その点を理解した上で、ご自身の用途に合わせて選ぶことが重要です。
記録容量
私がメインで使っているカメラの有効画素数は2450万画素のフルサイズ機です。
このカメラでRAWとJPEGの同時記録(RAW 14ビット非圧縮 / サイズL / JPEG FINE」で1枚撮影すると、合計で60MB弱となります。
ざっくり64GBで1000枚撮影できるので、1日のブツ撮りであれば余裕を見ても128GBの容量で十分です。
プライベートで撮影に行く時もたくさん撮る方ではなく、ほとんど連写もしないので、これまた128GBで事足りています。
連写するか否か。動画を撮るか否か。
しかし動体撮影や運動会などで連写するとなると状況はガラリと一変します。
JPGのみの撮影としてもFINE画質ですと1枚10MB。たった100枚連写するだけで1GBです。
人の多い屋外ではなるべくカードの差し替え作業はしたくないですから、容量は多いに越したことはないので256GBを選ぶと安心かもしれません。
また連写するとなると、スピードの遅いSDカードではテンポ良く撮影できません。
お持ちのカードのスピードが速いのか遅いのかは、カードの表面を見ればだいたい分かります。
読み込み速度…SDカードからPCなどほかの機器へデータを移す際の転送速度。
書き込み速度…静止画や動画をSDカードに記録する速度。高速連写では速度が重要で、数値が高いほど連写できます。高速連写時のバッファ詰まりが何よりも嫌!という方はW250〜299MB/秒のスピードの物を選ぶと良いでしょう。
少し前のSDカードには書き込み速度の記載が無かったので、そういう場合はメーカーHPで確認するか、スピードテストのアプリで計測しましょう。
スピードクラス…SDアソシエーションで定められた速度規格です。2(2MB/秒)、4(4MB/秒)、6(6MB/秒)、10(10MB/秒)の4種類の数字で、データ書き込みの最低保証速度を表しています。今どき10以下のカードが販売されているか分かりませんが、もし中古などでカードを購入される際には注意してチェックしましょう。(中古でカードを買うこと自体、あまりオススメしませんが…)
10でも高速連写や4Kビデオ撮影となると厳しいです。
UHSスピードクラス…通常のスピードクラスよりも更に高速転送を可能とする場合に付けられるクラスで、Ultra High Speedの略。「UHSスピードクラス1」は10MB/秒、「UHSスピードクラス3」は30MB/秒のデータ書き込みの最低保証速度を表しています。1はスピードクラス10と同スピード。3ならばある程度の連写やフルHD動画撮影にも使用できます。
ビデオスピードクラス…動画撮影を目的とした規格。V6(6MB/秒)/V10(10MB/秒)/V30(30MB/秒)/V60(60MB/秒)/V90(90MB/秒)の5種類の数字で、データ書き込みの最低保証速度を表しています。30がUHSスピードクラス3と同スピード。V60なら4K動画撮影、V90なら8K動画撮影に推奨されるスペックとされています。
なるべく安物は買わない
容量やスピードよりも重要なことは安物を買わない方が良い。という事。
「安物」というのは「そのスペックの平均的な価格帯からかけ離れて安い物」という意味です。
実経験だとAmazonで購入した安価なSDカード(有名国内メーカー製でした)が、1年も経たないうちに記録データが飛ぶという最悪のエラーを起こしました。エラーはたった一回だけでその後テストで何度か使いましたが、エラーは再現できませんでしたが怖いので引退させました。
そしてこれまたAmazonで買った激安のうさんくさい■an●iskのカードはまったくスピードが出ないという事がありました。
基本的に2スロット同時記録をしているので、データを失うという最悪の事態はまだ起きていませんが、そういった苦い経験から安物のSDカードと某有名メーカーを避けるようになりました。
これは某有名メーカーのカードの性能が悪いと言っている訳ではなく、他社と比較すると性能に対して価格が高すぎる点と、並行輸入品は偽物を摑まされる可能性があるので購入を避けています。
SDカードベスト3
私にとってSDカードとストロボは3年くらいで買い換える消耗品という感覚。
特にSDカードは書き換え寿命がありますから、まだ使えるうちに売却して、早めに買い替えるようにしています。
もちろん品質の良い物を求めてはいますが、それと同時に出費を抑えたいという気持ちが強いカメラアクセサリーでもあります。
そういった私の懐事情も考慮した上で、最近購入したカードの中で満足しているベスト3をご紹介したいと思います。
まず第3位は、Nextorage(ネクストレージ)。
ただこのカードは実は性能で3位に選んだ訳ではなく、何と言いますかネタ枠です。
と言うのもこのメーカーのSDカードを買うと「Memory Card File Rescue」というソニー製メモリーカードのファイル復旧アプリを無料で使用できます。
誤って削除してしまった写真データを復旧できるアプリケーションです。
もちろんソニー製カードじゃなくても復旧できますので、いざという時に便利です。
このアプリ、復旧にかかる時間はそこそこですが、シンプルで扱いやすいです。
私が購入したカードは安価な書き込み速度が遅いシリーズのモデルですので連写される用途には絶対に勧めません。
が、連写や動画撮影をしないという方であれば、価格も256GBなら1枚3000円弱とお手頃ですのでアプリ目的で1枚買うのも有りだと思います。
第2位はKingston(キングストン)のCanvas React Plusです。
この価格帯のカードの中ではおそらく最速の書き込みスピードだと思います。
写真は連写命の方、動画は高画質をストレスなく記録したいよね!って方にお勧めです。
そして第1位はProGrade(プログレード)のGOLD。スペック自体はそれほど高くは無いのですが、実際に使ってみるとかなり優秀で、公表されているスペックより読み込み・書き込みともに速度が早いです。
キングストンのCanvas React Plusよりも速度では劣りますが、このスペックに対して比較的にリーズナブルで総合得点を付けるなら、このカードが一番だと思います。
堅牢製・耐久性などに関してはどれもまだ使い始めて半年未満ですので何とも言えません。
ネットで調べてみましたが、どのメーカーも壊れたという報告がありますので、当たり外れ・運不運もあるのだろうと思います。
また使っているカメラとの相性もあるでしょうし、ユーザーのカードの扱い方によっても評価の結果は変わると思います。
ご自身にあったSDカード選びの参考になりましたら幸いです。
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