昨年末に買ったばかりのReally Right Stuffの新三脚「ASCEND-14」を持って岡山県倉敷市の水島コンビナートへ工場夜景の撮影に行ってきました。そこで分かったASCEND-14の実力と一番のお勧めモデルをご紹介したいと思います。
鷲羽山スカイライン 水島展望台
一緒に行ったアキラ氏と相談した結果、まずは高台からの俯瞰でしょ?ということになり鷲羽山スカイライン 水島展望台へと向かいました。着いた時間は16時前だったと思いますが、4〜5台しか止められない駐車場に車はなし。有名な撮影スポットと聞いていたのでいささか拍子抜けしましたが、日が暮れてくると急に増えてあっという間に満車になり、路駐する車で溢れかえりました。

※画像はアキラ氏が撮影
まともな撮影としては屋外にASCEND-14を初めて持ち出したのですが、まず最初に思ったのは「高さがあるってやっぱり良いな」という事でした。

ISO100:70mm:F8:1/100s:Nikon Z6ii:フィルターケンコーブラックミスト
まだ使い慣れていないというのもあるかもしれませんが、腰を据えてじっくり撮影するには、雲台がちょっと使いにくいと感じました。「荷物の重量を極限まで減らしたい」という場合じゃない限り、得られるメリットよりもストレスの方が大きいように思います。

ISO100:200mm:F8:20s:Nikon Z6ii
ブレに関してはシリーズ2や3と比較すると、やはり少し頼りないと感じました。Gitzo2型トラベラーを使っている感覚に近いです。しかし一般的な夜景撮影程度の使用用途なら十分なスペックは持っているという手応えは早くも感じ始めました。また脚の頼りなさよりも雲台に起因する弱さの影響が大きいように感じました。
水島流通システム近くの高台
本当は墓場高台という場所を目指していたのですが、道がわからず断念し、やや低い高台から撮影することにしました。

ISO100:360mm(35mm換算):F7.1:30s:テレコンx2使用:NikonZ50
ボディをNikon Z50に変えてより大きく切り取りました。シャッタースピードは30秒で等倍で確認しましたが、よく止めてくれていると思います。しかしさっきの高台と違って、かなり風は穏やかで撮影に影響する強さではありませんでした。
サノヤス造船所前
次に向かったのはサノヤス造船所前です。ここは三脚ポトレが格好良く決まる撮影スポットでした。

ISO100:36mm(35mm換算):F2.8:8s:NikonZ50:フィルターケンコーブラックミストNo.05
jpg撮って出しでここまで絵になるのは、この場所が持つ力強さとケンコーのブラックミストNo.05のおかげだと思います。
児島宇野津水門前
最初道が分からなくて一度は断念したのですが、諦めきれずに戻った思い出深い場所です。

RICOH THETA SC2で撮影。
この場所はかなり近距離で撮影できました。等倍ですと細かい部分までチェックできるのでありがたいです。

ISO125:74mm:F2.8:13s:Nikon Z6ii

ISO125:200mm:F7.1:20s:Nikon Z6ii:フィルターケンコーブラックミストNo.05
かなり細かくチェックしましたが、TFC-14Mk2と比較しても歩留りは遜色ありません。
通仙園展望広場
今回の撮影の最後に選んだのは通仙園展望広場。深夜0時にまぁまぁな階段を上がらないといけなくて、ちょっと白目になりましたが気力を振り絞りました。

ISO125:200mm:F4:15s:NikonZ6ii
ここは高台で、この日の中では一番風の影響が強かったように記憶しているのですが、ここでも気になる三脚の弱さは感じませんでした。
撮影を終えてみて
さて今回はReally Right Stuffの新三脚ASCEND-14の実力を測るべく、水島コンビナートまで遠征させていただきました。
初めてじっくり使ってみた感想としては軽くて高さがあって、使える三脚だと確信しました。特に高さに関してはこのクラス最長で大満足です。
少し気になったのは雲台です。ドロップノッチの位置が固定しているため、脚の向きを直す必要があったり、(基部でパン出来ることが後ほど判明しました)レバー式の固定操作がやややりにくいと感じました。特に微調整に関しては絶望的で、普段素晴らしい雲台ばかり使っている影響もあり、かなりストレスを感じました。今回のようにあまり可搬性を気にしなくても良い場合だとデメリットの方が大きかったです。
〜追記〜レバーのテンションを変更できたり、基部パンが可能である事が判明したため、評価が少し上がりました。
しかし登山や旅行などでは軽量であるメリットが大きくなると思うので、ご自身の撮影シーンを考えて選ぶと良いと思います。
TFC-14 Mk2と比較して剛性はやや劣ります。センターポール由来の機構の弱さはありますし、それは体感できるレベルです。特にひねり剛性は大きく劣ります。
しかし全伸高は圧倒的にASCEND-14の方が高いですし「使えるセンターポール」は魅力的です。スペック的にTFC-14 Mk2で良いと断言できるならTFCを選ぶべきですが、あらゆるシーンを想定するならASCEND-14の方が便利ですし、満足度も高いと思います。
個人的な一番のオススメモデルはASCEND-14のロングモデル、プラットフォーム版(雲台がついていないモデル)です。
価格は1250ドルと決して安くありません。手放しでお勧めできるほど品質が良いわけでもないので、初めてRRS製品を購入しようというRRS初心者の方にはあまりお勧めしません。
高い買い物ですからじっくり検討してからご購入ください。


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