Really Right Stuff ASCEND-14をトラベル三脚の視点で見た時の点数

三脚として素晴らしいスペックを持つReally Right StuffのASCEND-14ですが、トラベル三脚として見た場合、オススメできるのか点数を付けてみたいと思います。

この場合、比較対象がないと100点と言われてもよく分からないので、スペックが似ているGitzoの2型トラベラーと、よく引き合いに出されるピークデザインのトラベル三脚も点数を付けたいと思います。

ASCEND-14L(ロング) Gitzo GK2545T-82QD PD Travel Tripod
縮長 54cm 44.5cm 39.1cm
全伸高 175cm 165.5cm 152.4cm
重量 1.534kg 1.84kg 1.27kg 
耐荷重 13.61kg 12kg 9.1kg
段数 4段 4段 5段
実勢価格 161,400円(購入時点) 141,000円 86,600円

まずトラベル三脚として重要な項目をあげてみましょう。

●縮長…国際線・国内線ともに三脚の機内持ち込みは60cm以内です。手荷物検査時に計測されますので、購入前に必ずチェックしましょう。一応60cm以内というのは3モデルとも満たしています。
ただし、リュックの中に入るのかどうかなども重要になりますので、使っているバッグのサイズも計測しておくことが大切です。

●全伸高…センターポールも含めた全脚を伸ばした時の高さです。トラベル三脚は縮長が重視されがちですが、実際は単に縮長が短ければ良いという訳ではありません。いざ使うときに「高さが足りない!」では意味がありません。旅先の景色は様々ですし、撮影ポイントも様々でしょう。高さがあって悪いことは無いはずです。ASCEND-14Lは175cmもあるのでほとんどのシーンで不足はないと思います。

●重量…旅行では徒歩や公共機関で移動することが多いと思います。登山やハイキングをともなうような旅行であれば、縮長よりも重量の方が重要です。ピークデザインとGitzoでは570gも差があります。実にペットボトル1本分と考えると、過酷な状況では命を分ける重さになる可能性もあります。

●耐荷重…メーカー間で統一されていないので、同一メーカーで比較する以外はあまり重要ではありません。

●段数…脚部の伸縮段数。段数が多いほど伸縮比は高くなりますが、安定感を重視する場合は段数が少ない方が有利です。ピークデザインの5段目は、他の2モデルと比較すると相当細く頼りないです。ローアングル撮影が多いなら良いですが、目一杯伸ばして使うことが多いなら、避けた方が良いかもしれません。

●価格…ピークデザインとRRSでは74800円もの差があります。もしたった1回の旅行のために三脚を買うのであれば、この価格差があれば他の予算に回すことができます。反対に旅行に行く回数が多ければ多いほど、快適だったり便利だったりスペックに満足できる三脚を選んだ方が良いと思います。

●雲台の使いやすさ…すべて雲台が付属しています。Gitzoは他の雲台に変更可能なので、もし気に入らない場合は自分の好みの雲台に交換できます。正直Gitzoトラベラー付属の自由雲台はあまり操作性が良いとは思えませんが、極々一般的ではあります。

RRSの雲台はコンパクトで革新的な雲台ですが、慣れるまで少々使いにくく、また耐荷重はもっとも弱いです。

ピークデザインの雲台も革新的ですが、一番穴が多く、個人的にはあまりお勧めできません。

RRSとピークデザインは雲台一体型ですが、オプションでネジタイプに変更できます。別途お金は掛かりますが、使いやすい雲台に変えることが可能です。


上記項目で個人的に重要だと思う項目は重量・全伸高の2つで1項目ごと25点満点。次に雲台の使いやすさが20点満点。残りの縮長・段数・価格は1項目ごと10点満点。合計100点満点として個人的に点数を付けてみたいと思います。

ASCEND-14L(ロング) Gitzo GK2545T-82QD PD Travel Tripod
全伸高(25点満点) 25 23 18
重量(25点満点) 20 18 25
雲台の使いやすさ(20点満点) 18 16 14
段数(10点満点) 10 10 7
縮長(10点満点) 6 8 10
価格(10点満点) 3 5 7
合計 82 80 81

自分でも驚くほど点数に差が出ませんでした。ただし点数はほぼ一緒だからと言って、どれを買っても同じ。という意味ではありません。またここまで書いておいて何ですが、点数を付けること自体があまり意味がなく、ナンセンスだと気がつきました。

なぜならトラベル三脚に何を望むか、各スペックに対する重要性は、ユーザーによってさまざまであるからです。

例えば予算がネックと感じている方ならピークデザインがもっとも現実的な価格でしょう。
高さが一番重要だという方ならRRSが魅力的に感じると思います。
逆にスペックでは見えませんが、パーツ交換などメンテナンス性・メーカーサポートに関しては、Gitzoが絶大的に信頼できます。

三脚としての完成度はGitzoがもっとも高いと断言できますので、一般的にトラベル三脚を勧めるとすれば、(雲台は別の物を勧めますが)Gitzoの2型トラベラーを推すことが多いです。

ピークデザインとRRSに関しては「このメーカーが好き!」「このデザインが最高!」という信者に支えられている部分が大きいので、価格やスペックに特にこだわりが無い人ならば、あれこれ難しく考えずに、好きなメーカーだという理由だけで選んでも良いんじゃないかと思います。

まとめ

さて点数を付けるのはナンセンスと言いながら、タイトルを変えるのも何なので、このまままとめたいと思います。

Really Right Stuff ASCEND-14をトラベル三脚の視点で見た時の点数は82点という非常に高い結果となりました。

そして点数で大きく脚を引っ張ったのは価格であり、もし価格を度外視できる人ならば、もっと評価は高くなると思います。

私はASCEND-14と一緒にこの先の旅を楽しんでいこうと思います。

The following two tabs change content below.
haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!
タイトルとURLをコピーしました