Nikon Z7とZ6に期待していたけど搭載されなかった機能が「深度合成」です。私は夜景撮影が好きなので本当にガッカリでした。ただ「フォーカスシフト」は搭載されていますので、面倒ですが深度合成はPhotoshopでやるしかなさそうです。
Nikon Z6のレビューにもきっとこの事を書くと思いますので、先に深度合成について書いておこうと思います。
深度合成とは
出来るだけ簡単に説明したいと思いますので、まずは1枚画像をご覧ください。
雲台中央やや上の涙型のノブにピントを合わせていますので、レーザー刻印の角度指標の数字や、ARCA SWISSのロゴなんかはボケてしまっています。商品撮影の場合、細部のディティールしっかり見せたいですから、このボケは邪魔でしかありません。
もちろん絞りを最大値まで絞ることで、被写界深度はある程度まで深くなります(この画像はF8で撮影しています)。ただし今度は「小絞りボケ」や「回折現象」により、画質が大幅に劣化してしまいます。
この問題を回避するために編み出された手法が「深度合成」です。フォーカスをずらした写真を複数枚撮り、レンズのもっとも画質が良くなる絞り値で撮影し、あとから編集ソフトで合成する。すると回折現象を回避しつつ高画質のまま、被写体の手前から奥までにピントを合わせた写真が得られるという訳です。
※フォーカス位置を微妙にズラして複数枚撮影します。
※ピント位置が合っている部分のみをPhotoshopなどで合成します。
この面倒くさい工程をカメラボディが自動で行ってくれるの機能、羨ましいですね。しかし無いものを嘆いても仕方がありません。いつかファームアップで追加されることを祈りつつ、それまではフォーカスシフト機能(自動で少しずつフォーカスをズラして複数枚撮影してくれる機能)で撮影したデータをPhotoshopで合成したいと思います。
Photoshop CCを使った深度合成
1.まずは「ファイル」→「スプリクト」→「ファイルをレイヤーとして読み込み」をクリックします。
2.「参照」をクリックし、合成したい画像ファイルを選択し「開く」をクリックします。
3.「ソース画像を自動的に配置する」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
4.開いたらレイヤーパレットで全てのレイヤーを選択します。(shiftキーを押しながらクリックし選択)
5.「編集」→「レイヤーを自動合成」
6.「画像をスタック」にチェックを入れ「シームレス〜」と「コンテンツに〜」どちらにもチェックを入れて「OK」をクリックします。
7.後はしばらく待つだけ。完成です。
比較
これだけ自然に合成できます。ちょっと面倒くさいですがしっかりと画像で説明したい場合の表現としては抜群に効果的です。


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コメント
[…] Photoshop CC で深度合成 […]
考え方としては、天文でダークノイズを空撮りして合成するのと一緒ですか
違うとすれば、天文で利用可能な場面は有りますか、ご教示頂ければ幸いです。
mesatoさん、考え方としては「天文でダークノイズを空撮りして合成する」のは、ソフトウェア上でノイズを減算するためですので違います。当記事の深度合成の利用場面は、広角で地上の前景と、天体を合成する際くらいでしょうか?