2020年8月28日に発売されたNikon Z5 / Z6 / Z7/ Z6Ⅱ / Z7Ⅱ 専用グリップ「Z-GR1」。なんとあのニコン純正のアルカスイス互換の専用ブラケットなんです。時代も変わりましたね。これまでも三脚に採用されたものもありましたが、あれは明らかにベルボンOEMで、ニコンのロゴが付いただけという感じでした。
そういう意味では今回が初めてニコンがアルカスイス互換を導入した記念すべき製品ということになります。それでは早速レビューをしたいと思います。
外観

前面。ボディ取り付けは手回し式のローレット。カメラボディ接地面はゴム貼りで傷を防止する配慮がされています。

裏側。中央のピンは空転防止用。ビデオボス(海外ではビデオピン)と似ているが仕様は異なる。直径は4.85mm。

バッテリーボックスへのアクセス用に90度下方向に折り曲がる構造。ロック機構はないがバネ式の固定具が3箇所あるので、単体で強く振らない限り折れ曲がることはない。

ボディ取り付け用のローレットには実はM2の六角穴が内臓されている。レンチを使えば手回しよりも強く固定することも可能(※メーカー推奨ではありません)。三脚ネジ(1/4インチ)も1箇所あります。側面には縦位置用プレート「Z-VP1」を取り付けるための縦穴2箇所とネジ穴1箇所があります。
スペック・価格
寸法 | 約W133×D62×H27.6mm(突起部含む) |
---|---|
質量 | 約148g(実測151g) |
素材 | アルミニウム/クロロプレンゴム/ステンレス |
JANコード:4955478182658
希望小売価格:17,875円(税別 16,250円)
ニコン公式サポートに問い合わせたところ、2020年11月・12月発売予定の新機種「Z6Ⅱ」「Z7Ⅱ」にも適合するそうです。
特徴
この製品の特徴は何と言っても「座面の高さ」でしょう。これはマウントアダプター FTZを本グリップに装着した時に、三脚座に干渉させないための配慮です。
実際に使ってみた感想
●まず握り心地ですが、これに関しては人それぞれだと思います。個人的にはしっかりと固定されていないので、ちょっとグラグラするように感じました。
●ボディ接地面にゴム貼りされているのですが、ちょっと浮いているのが気になりました。検品はしっかりしてほしかったです。
●角Rが3mmくらいだったら手触りがもっと良かったと思います。
●センターマークがないのが一番の問題ですね。例えば比較写真をとる場合でも、縦構図(縦プレートにもセンターマークはありません)に切り替えて、また戻す時にセンターマークがないとズレてセッティングしてしまいます。こうなると商品撮影では最悪撮り直しとなることもあります。他にはパノラマ撮影では視差を少しでも出さないためにセンター合わせは必須です。
●デカイ・重い。私が愛用しているKIRKのLブラケット「BL-ZN」は92gです。対してZ-GR1はZ-VP1を付けると200gを超えます。手が大きい方なら良いかもしれませんが、私の様に手の小さい方には大きすぎる気がします。
感想
まずアルカスイス互換ユーザーでニコン純正品が好きって人はめちゃくちゃ嬉しい製品でしょう。
実用面では手が大きくてZボディでは小指がガッツリ余ってしまうんだ!って方にお勧めです。
「実際に使ってみた感想」ではネガティブな感想が多くなってしまいましたが、価格帯がReally Right StuffのLブラケットを個人輸入できる金額ですので、辛口になってしまうのは仕方がありません。もっと安ければ評価も違ったと思います。
個人的に今まで使ってきたKIRKからこれに変えるか?というのが私の答えになると思います。それを考えると変えないだろうなというのが素直な感想です。

左からNikon Z-GR1、KIRK BL-ZN、ベルボン BR-ASZ7、SmallRig APL2258
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