レベリングベースが必要な理由
パノラマ撮影を行いたい時や、ジンバル雲台やビデオ雲台を使う時にあると便利なアイテムがレベリングベースです。
不整地で三脚を立てて雲台自体が傾いたままで、パン操作すると水平が崩れてしまいます。レベリングベースがあると、たとえ不整地で立てても雲台より下で水平を出せるので雲台のパン機能だけで、正確なパノラマ撮影ができるようになります。
実際に私が手にして、使用したレベリングベースの情報を元に、失敗しないレベリングベース選びをお教えしたいと思います。
レベリングベースは大きく分けて3タイプ
まずレベリングベースには大きく分けて3タイプあります。
ハーフボール型
半球形の受け皿にボール状の軸が載っているタイプです。私が勝手に付けた名称です。もしかしたらきちんとした正式名称があるかもしれません。ハーフボールを利用して水平を出す事ができます。真上に持ち上げて、締める構造ですので、構図のズレはほとんどありません。また高さを低く抑えられますので、レベリングベースの中でも、ブレに対して非常に強い構造となっています。ただし0.25度レベルの微妙な調整はかなり難しいです。また雲台の真下からネジで締め上げる構造のため、雲台が反時計回りの方向に強い力が掛かると、ロックが緩んでしまう可能性があります。
マンフロット520BALLなど比較的に安価に入手可能な製品から、GitzoのGS3121LVLやReally Right StuffのTA-3など高価な製品まで多くの選択肢があります。
注意したいのがハーフボールアダプターが付いていない製品がありますので、購入前に確認しておくようにしましょう。
またハーフボール型のレベリングベースはGitzoのシステマティック三脚やReallyRightStuff三脚、ハーフボールアダプターが標準搭載されているビデオ三脚にしか装着できません。もっともオススメのハーフボール型のレベリングベースはReallyRightStuffのTA-3 LEVELING BASEのエンドフック付きのレバークランプタイプです。
自由雲台型
ハンドルやレバーを緩める事により、角度を微調整することができるのが自由雲台型のレベリングベース。構造はほとんど自由雲台と一緒です。
まるでボールヘッドのように操作できるのが自由雲台型のレベリングベースです。もっとも直感的に操作できるため、初心者でも導入しやすいと言えるでしょう。ただし微調整は得意とは言えず、またやや高さが増してしまう分、ブレには弱くなる傾向があります。お勧めはアクラテックのレベリングベースです。
オートレベル型
測量で用いられるオートレベルに搭載されている調整ネジを使って角度の微調整ができます。過去にご紹介したManfrottoのレベリングベース# 338やノーダルニンジャのEZ Leveler II がこれに該当します。
非常に繊細な微調整を行えます。オートレベル型は慣れない間は、水平出しに時間が掛かると思います。うまく使いこなせるようになるには要練習。数時間じっくり使ったら慣れるはずです。ノーダルニンジャのEZ Leveler II がお勧めです。
左手親指の法則はこちらの動画をご覧ください(※動画のクオリティは低いです)
操作性も抜群で、完璧な水平出しを求めている方なら絶対に損はしません。ただ剛性、ブレの軽減に関しては、細い棒3本で支えるという構造上、もっとも弱いです。
まとめ
- 簡単さとスピードを求めるなら自由雲台型
- 高さを抑え、強さを求めるならハーフボール型
- 正確さと軽さを求めるならオートレベル型
ご自身の撮影スタイルに合わせて選ぶと良いと思います。


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コメント
[…] レベリングベース選びのすすめ […]
GITZOのレベリング三脚について言及してほしかった。
PAEさん、コメントありがとうございます。この記事はレベリング「ベース」に関して書いた記事ですので、レベリング機能付きの三脚は内容的に話が逸れてしまいます。また機会がありましたらそちらの方も別途書きたいと思います。