私は若い頃からシルバーアクセサリーが大好きで、今も様々なブランドの物を愛用しています。
シルバーの魅力は「輝きとくすみ」が放つ美しさや格好良さにあると思います。
しかしその魅力を写真で表現するのって意外と難しいんです。
今回はシルバーアクセサリーの魅力を伝えつつ、格好良く撮影してみようと思います。
シルバーアクセサリーを撮影する際の注意点
まずは基本としてシルバーアクセサリーを撮影する際は、次のような点に注意しましょう。
①指紋や傷に注意する
シルバーなどの鏡面素材は指紋や傷がつきやすく、画像を拡大すると汚れが目立ってしまうため、取り扱いには注意が必要です。汚れがひどい時にはシルバークロスで磨いてから撮影しましょう。
このように磨くと見違えるように輝きます。
また素手で触れると指紋で汚れてしまうので、白手袋を着用して撮影するのも効果的です。
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②周りのものを写り込ませない
とにかく周囲の物が写り込みます。被写体から周囲のものを遠ざけたり、トレーシングペーパーを使用するなど、写り込ませないために工夫しましょう。
③光の向きに注意する
自然光と撮影用照明を組み合わせ、被写体全体を優しい光で明るく照らします。カーテンやトレペなどで光を透過させたり、レフ板で反射させたりするとよいでしょう。
④背景を選ぶ
遮光布やケント紙、アクリル板などを背景にするとよいでしょう。シルクのような素材の布を通して立体感のある写真を撮ったり、雰囲気作りの背景として使用したりすることもできます。
⑤構図を考える
日の丸構図や三分割構図、対角線構図などを使用するとよいでしょう。バランスが難しい場合は、カメラ機能のグリッド線を活用するのもおすすめです。
実際に撮影してみよう
ブランドイメージで世界観を考える
シルバーアクセサリーと言っても、様々なブランドから様々なデザインの物があります。
例えば「シルバー界の帝王」なんて呼ばれているクロムハーツ(Chrome Hearts)は「黒と白」のイメージが強いと思います。
そのためあんまり陽気な、というか爽やかで明るい背景を選んでしまうとクロムハーツらしさが薄れてしまいますので、やはりそういった皆が持つブランドイメージを意識した背景作りをした方が魅力が伝わりやすいのではないかと思います。
黒の遮光布の上にアクリル板を載せ、その上に被写体を置きました。写り込みを防ぐため被写体の周囲にトレーシングペーパーで囲っています。ストロボは1灯で天井バウンス。NIKON Z f : 105 mm : f8
「二分割法」です。主役がひとつ明確にある被写体ではなく分割した両方の画面を見せたい時に使える構図です。ダイソーで購入した「メタルタイル(5×5cm)」を貼り付けた板を背景に、ストロボは1灯でサイド光を直当て。NIKON Z f : 105 mm : f8
普段使っているデスクライトを「日の丸」構図で背景に置いてみました。手前の被写体は当然逆光になるため前方ななめ右方向からPhottix M180 LEDライトを色温度5600K 照度100%で照らしています。NIKON Z f : 105 mm : f13 : 1/200
ブランドカラーを使用する
強烈な個性を放つカラーを持つブランドがあります。
例えばHERMESであればオレンジ、CHANELであればブラック、そして真っ先に思い浮かべるブランドカラーと言えばTiffanyの「ティファニーブルー」でしょう。
まずは背景紙を作ります。4色で印刷する場合はCMYKかカラーコードで色を指定します。
C58%/M0%/Y26%/K0%、もしくはカラーコード「#66C3C6」でティファニーブルーになります。
この色をベタで塗った物を印刷し背景紙にします。
撮影でホワイトバランスが上手く合わない場合は、Photoshopで色味を調整しましょう。
今回はブログで掲載する画像ですのでRGBで調整します。もっとも色味を合わせたい部分をスポイトで指定し、結果をR104/G195/B197に変更したら調整完了です。
今回は手前と奥両方どちらにも、不自然に見えない程度にピントが来てほしかったので「ARSENAL2」を使用し被写界深度合成で撮影しました。NIKON Z 6Ⅱ : 105 mm : f11 : ステップ幅5 /12枚 : ARSENAL2内自動合成
マネキンなどにかけて撮影する
マネキンなどにアクセサリーを付けて撮影すると、サイズ感や着用イメージが伝わりやすくなります。
合わせる衣類もブランドの持つ世界観を損なわない物を選ぶことが重要です。
今回はトルソーにSimmons BiltのC-3ベストを着せ、ちょうどネックレスのトップが中央に来るように構図を合わせました。ストロボは左右斜め上からトレペ越しに2灯。NIKON Z f : 105 mm : f8
マネキンやトルソーなどの大型の物じゃなくアマゾンなどで購入できるネックレススタンドでも十分だと思います。
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革を背景に使用する
先ほどの革のベストと組み合わせたように、シルバーは革との相性も良いと思います。
今回は革製品としてもっとも多く流通している牛革(カウハイド)を背景に敷き、ストロボは1灯で天井バウンス。後方にレフ板を斜め方向に当たるように配置し、ハレ切りボードで右上部が影になるよう遮光しました。NIKON Z f : 105 mm : f18
革の種類や染め色によっても見え方は大きく変わると思います。いくつかパターンを変えて撮影してみたので参考にしてみてください。
粒状の物を成形して背景にする
砂など粒状の物を背景にしてみるのも面白いです。
今回使用したのは塩。被写体がフェザーでしたので、羽の形状にしてみました。ライティングは無しですが写り込み防止目的でトレペで囲っています。NIKON Z f : 105 mm : f11
属性で背景を作る
フェザーと言えばネイティブアメリカンジュエリー(インディアンジュエリー)です。
ネイティブアメリカンには「民族柄の布」「木」「岩」なんかが、私の勝手なイメージです。
こういったイメージで背景を作ってみましょう。
セリアで購入した雰囲気の良い板を3枚並べて背景セット完了。ここにアクセサリーを並べるだけで気分はネイティブアメリカン(勝手なイメージです)。ストロボは1灯で天井バウンス。NIKON Z f : 50mm : f9
今度はネイティブ柄として販売されていたバンダナを敷き、その上に置いて撮影。バンダナなどの布を使う場合は畳みジワをアイロンで伸ばしてから使用しましょう。ストロボは1灯で天井バウンス。NIKON Z f : 50mm : f5.6
他の写真家のアイデアを真似てみる
どうしてもアイデアが降りてこない場合は、他の写真家のアイデアを真似てみるのもひとつの手です。
たとえば下の写真は2018年頃にPinterestで見かけた海外の写真家のアイデアを真似たものです。
聖書の上に指輪を置いて、ストロボ光を利用してハートのシャドウになるようにストロボの方向を調整しています。
こういったアイデアを自分なりに試行錯誤して再現していく過程で、間違いなく技術は高まりますし、またそこから新たな着想を得られることもあります。
三脚と一緒に撮ってみる(お約束)
このブログと言えば三脚ですのでやっぱり三脚ポトレで締めたいと思います。
最後までお付き合いありがとうございました!
三脚はReallyRightStuffのTFC-24L Mk2、雲台はARCA-SWISS C1 cube GP。私の錆びない気持ちを込めて、フリップロックのレバーにリングを装着しました。ストロボはソフトボックス越しに1灯。NIKON Z f : 105mm : f13
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