コピー製品について考える

昨年、日本国内で大問題となった大手鋼鉄メーカー「神戸製鋼所(以下、神鋼)」の
データ改ざん事件。日本の品質神話の崩壊か?と連日大きく報じられました。

ご存知の方も多いと思いますが、欧米諸国のネジやバネなどは不良品だらけです。どんなに優れていると言われるアメリカメーカーの製品にも、当たり前のように初期不良品があります。

中国の製造現場には「偸工减料」という言葉があるそうです。偸工は手抜き、减料とは材料を間引くという意味です。


残念ながら生産・製造の現場ではどの国であっても不正や手抜きといったものが存在します。ただしだからと言ってどの国の物を買っても一緒という訳ではありません。「これくらいなら大丈夫かな?」と思うラインは違いますし、その不正が発覚した後の責任の取り方ひとつ見ても国によって大きく異なります。

例えば神鋼のデータ改ざんは確かにやってはいけないことです。放置することは日本という国にとっても良くありません。しかし同じ内容のデータ改ざんを中国がやったらどうでしょうか?おそらくほとんど報道すらされずに、いまだに続けているのではないでしょうか?むしろ「その程度の改ざんで報道されるのか。中国の品質も上がってきたな」と思う人もいると思います。

バネが曲がっていて、うまくクランプの開閉ができない場合も、日本の梅本製作所の雲台なら、かなり叩かれると思います。KIRKなら「アメリカメーカーだから仕方がないな」で終わります。


この差はなんでしょう?答えは期待度の高さです。

  • 日本製品は品質が良くて当たり前。ネジ・バネひとつとっても不良品が少なく、仮に不良品があってもサポートが何とかしてくれる。値段は高すぎず安すぎない。デザインはそんなに期待できない。つまりデザイン面の期待度は低いが品質の期待度は高い。
  • 欧米メーカーは品質は悪くないが、大雑把で細かい部分の作りが雑。特にネジやバネといった部品の品質が良くない。ちょっと良いものになると値段がとても高い。サポートはメーカーによって差が大きい。デザインが魅力的なものが多い。品質の期待度がそれほど高くないが、デザインの期待度が高い。
  • 中国メーカーの品質は昔みたいに明らかな粗悪品は減った。ただ悪かったという印象が今尚強いので、悪くなければかなり良く見えてしまう。認知的不協和というやつです。不良がちょっと良いことをすると、すごく良い人間に見えてしまう心理と一緒です。値段が安いものが多いので、悪い部分があっても「安いんだから仕方ない」で許される。

さて、今回私が何を書きたいかと言いますと、上に書いた理由から、世の中の製品のレビューが正当な評価とは限らないということです。レビューを鵜呑みにして買った結果、残念な思いをすることがあります。

よく来る質問のひとつに

質問者
質問者

RRSが欲しいのですが高すぎるので、●○●○●○にしようと思うのですがどうでしょうか?

というものがあります。

まずRRSが欲しいと思っている人というのは、三脚や雲台の機能だけで選んでいないと思います。ブランドだったりデザインが気に入ったからという方が大半ではないでしょうか?そういう人が「似て非なるモノ」を買って満足するでしょうか?

例えば考えてみてください。「ロレックス」の時計が高いから、機能が普通でデザインがそっくりで安価な「ロラックス」でも良いと思いますか?

人によっては普通に使えるから良い買い物をした。そう思うこともあるでしょう。しかし大半の方は心からの満足感は得られないと思うのです。


中国によるコピー製品の氾濫は良い面と悪い面があると思います。

良い面はこれまで高価で入手しにくかった製品が安価に売られるため、誰でも入手が容易になり、市場が活性化されること。

悪い面はただ似せて作っているため素材や設計に不安があること。真似されたメーカーが多額の投資をして開発した製品を、たったひとつ買って真似され、安価に売られてしまうため、真似されたメーカーの売り上げが減っていく。その企業が儲からないと開発力も衰退し、やがては業界全体の不利益になります。

この両面を考えた時に、やはりコピー商品を安易に勧めるのは良くないなと思うようになりました。医薬品のように先発で開発した製品を真似できないようにルール作りが出来たら良いですね。何年か経過したらジェネリックのようにデザインも機構もコピーOKにして、その代わり使用料を払わせるような仕組みに出来たら業界も活性化しそうな気がします。


何かとりとめのない話になりました。私は日本メーカー製品の三脚雲台はほとんど使っていません。三脚雲台周りはほとんど欧米製品です。中国製品ではKANIのフィルターがお気に入りです。オリジナリティのあるもので品質に満足できるものであれば、国境を越えることが可能です。

中国だから、アメリカだから、ではなく、正しいモノを見定める目を養うことが大事なんじゃないかと思います。

 

The following two tabs change content below.
haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!

コメント