アルカスイス雲台 検証まとめ

過去に行ったアルカスイス雲台の検証の数々をまとめたいと思います。

ブレの強さ

arcaswiss

検証機材は「Z1+」「P0 Hybrid」「d4 GP」「C1 CUBE GP」の4機種です。

使用三脚はReally Right StuffのTP-243で、50cm先の被写体をマクロレンズで撮影します。ブレが出やすい縦構図でF値は3.3、ややスローシャッター気味でテストしたいのでSSは1/8。手ブレを排除するために露出ディレーモード3秒とします。

撮影結果としてはこんな感じです。1枚ではテスト結果として正確性を欠くため、各機種10カット撮影します。そしてその中から最も平均的な1枚を選択し、ピント周辺を各機種で比較したいと思います。各10カットを見比べますと、Z1+とC1 CUBE GPのブレの無さは圧倒的です。C1 CUBE GPは粗動の機構を使ったので不利かな?と思っていたのですが、そうでもありませんでした。

P0 Hybridとd4 GPは予想通り若干ブレに弱い結果でした。P0 Hybridもまぁまぁ検討しましたが、細い一本脚で支える構造は、やはりもっともブレやすいという結果でした。今回はなるべく環境によるブレの要因を排除したかったので屋内でテストしましたが、屋外だとさらに結果は顕著になるでしょう。

ブレに対して最も強いのはZ1+。C1 CUBE GPは粗動を使う事で若干Z1+には劣りましたが、微動のみならZ1+より強いことが判明しました。d4 GPはその複雑すぎる構造故か、前回同様ややブレには弱いことが判明しました。P0 Hybridは最もブレに弱いという結果に終わりました。

操作性

さて次に操作性です。と言いましても操作しやすいかどうかは、ユーザーによって異なると思いますので、今回は実際に構図合わせまでの時間や、微調整のしやすさについて見ていきたいと思います。

  • まずはアルカスイスZ1+。自由雲台で正確な構図合わせは、ほんの少しお辞儀しただけでもやり直しになり、また一度できっちり水平を合わせる必要があるため不利です。一度でぴたりと決まると早いのですが、そうでない場合はやり直しとなるため、要する時間は慣れによって相当変わってきます。
  • 次にP0 Hybridは一回の操作で一気に決められ、その後に微調整で追い込めるため、非常に早いです。操作性も文句なし。
  • 次にd4 GP。こちらもかなり優秀です。ただし微動と粗動の軸が違うため、慣れない間は少し操作に戸惑うかもしれません。
  • 最後にC1 CUBE GP。粗動ノブの解除→固定に思った以上に時間を取られました。

以上、最も素早く構図合わせができるのはP0 Hybrid。そして次のd4 GPがかなりスピーディでした。Z1+は高さが完璧でも水平がほんの少しズレたり、またその逆もあったりと、なかなか決まらずイライラしました。しかしさらに時間を要したのはC1 CUBE GP。粗動ノブの出来の悪さを痛感した結果となりました。

今回はマクロ撮影という環境下での操作テストでしたが、風景だからざっくりで良いという訳ではありません。刻一刻と変わる光に素早く対応し、移動によって何度も構図合わせを行う場合には、とても重要なテスト結果だと思います。

ティルトに関する調査

各雲台の制限がある方向に限界までティルトします。もっとも角度の制限が大きいのがC1 CUBE GPで約30度まで。次にP0 Hybridで約45度、Z1+も約45度ですがP0 Hybridは微動機構を使っての角度ですので自由角度ではZ1+の方が上と言えます。d4 GPは約50度と一番仰角が大きいですが、ロックノブを逆に付け替えているため、改造前は45度くらいです。

次に俯瞰側に倒してみます。どの雲台も90度傾きます。P0 Hybridとd4 GPがもっとも低い位置でセットできます。明らかに高い位置でのセットとなるのがC1 CUBE GPです。三脚の中心から機材の距離がもっとも近いのがZ1+。次にP0 Hybrid、次に僅差でd4 GP、もっとも離れているのがC1 CUBE GPでした。

検証の結果

  • Z1+ … 抜群の固定力でブレに強い。マクロ撮影等、完璧な構図合わせが必要な撮影には不向き。ネイチャー向き。パンノブとメインノブが近過ぎるため、少し操作しにくいです。あと1cm程度離れていればもっと使いやすかったと思います。あとアルカスイスに限った話ではありませんが、パンの動きに個体差が大きいというのも欠点だと思います。
  • P0 Hybrid … 抜群の操作性。軽量なためガンガン持ち出せるギア雲台。固定力・ブレに弱い。トラベル・スナップ向き。欠点はフリクションコントロールがないこと。P0よりも多少負荷をかけて出荷されているものの、やはりコントロールできた方が良いです。やや頭でっかちな構造のため、細い一本足では若干頼りない。重量アップになったとしてもボールサイズはもう少し大きかった方が良かったかも。
  • d4 GP … この中で一番オールラウンダー。操作性、重量、剛性などすべてにおいて平均以上で、たった一台しか残せないなら、私はこれを選ぶと思います。ただし非常に複雑な構造のため、Z1+等と比べて故障例が多め。大型機材では操作性も落ちるため耐荷重や剛性・耐久性にはやや不満があります。ギアの固さやパンの動きに個体差が大きいこともマイナス要因です。すべてにおいて中途半端とも言えます。
  • C1 CUBE GP … 抜群の固定力でブレに強い。マクロ撮影等、完璧な構図合わせが必要な撮影に向いています。商品撮影、星景、マクロ、花火、建築などで、完璧を追求したいフォトグラファー向け。欠点は粗動ノブ。6回程度捻らないと解除できないのが面倒くさいです。これは正位置から粗動の固定を解除した際に、うっかり機材がカックンしないためのストッパーが付いているためですが、せめてもう少しネジのピッチを広くとるなどして、3回程度で解除できれば良かったです。

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haku
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