気付けばあっと言う間に12月。今年もたくさん買い物をしました。失敗もありましたが、素晴らしい製品との出会いもありました。今回はそれらを振り返ってみたいと思います。ちなみに各製品の説明文の最後に付けた星の数は私の気分です。星が少なくても使っている物もありますし、多くても売却した物もあります。あんまり気にしないでください。
ではではスタート!
FTZ専用プレート
KIRK 2種類と Markins と HejnarPHOTOの4つを試しました。
●KIRKの「PZ-130」はまるで専用品のように謳っていましたが実際は汎用品で何だか騙された気分でした。買って良かった度…★
●L型ブラケットの「BL-FTZ」は専用品ですが、ダブテールの向きがボディ用と方向が同じのため、ボディ用プレートを装着したままでは雲台に取り付けできない駄作でした。買って良かった度…★
●Markinsの「LN-FZ」は少し気に入らない部分もありますが、一番満足度の高いFTZ用のL型ブラケットです。買って良かった度…★★★★
●HejnarPHOTO「Nikon FTZ Adapter」はダブテールが正方形に作られているので、ボディ用プレートが付いた状態でも雲台に装着可能です。価格もお手頃ですのでL型にこだわらなければ、こちらもお勧めです。※Z50には干渉してしまうため星を減らします。買って良かった度…★★
Nikon Z6専用 L型プレート
SmallRig と Velbon と KIRK と Really Right Stuff の4種類を試しました。
●まず最初に発売されたのはSmallRigの「2258」でした。細部の作り込みはまだまだでしたが、先発で切り込んだ割にはよく出来ており、今後に期待できるメーカーだと思いました。滑落防止機能である斜めの切り込みのせいで、クランプを傷つけてしまう可能性あり。買って良かった度…★★
●Velbonの「BR-ASZ7」はベルボンが初めてアルカスイス互換の機種専用L型プレートを作った記念すべきモデルです。中国メーカー製品に迫る低価格戦略で、発売が早ければそこそこヒットしたかもしれません。残念ながらReally Right Stuffのレバークランプとの相性が悪く、またレンチも搭載されておらず、後発製品としては物足りなかったというのが正直な感想です。買って良かった度(Velbon)…★★
●KIRKの「BL-ZN」はバッテリー室の部分を捨てた軽量モデルで、もっとも剛性に優れています。Z6はグリップがしっかりしていますので、小指余りが気にならない人ならこちらが一番お勧めです。買って良かった度(KIRK)…★★★★
●Really Right Stuffの「BZ7」はデザインが格好良く、総合的に一番よくできたL型プレートだと思いました。買って良かった度…★★★★
Markins マーキンス PV-80 + LV-170 汎用 L-プレート セット
アルカスイス互換の汎用L型プレートです。手抜きとしか言いようがない汎用品が多い中、非常によく考えて作ってあり感心しました。Really Right StuffやKIRKに比べて、剛性が一歩及ばないのが残念です。とはいえ、これ以上の汎用プレートは見つからないので、絶対に手放せない一品です。買って良かった度…★★★
雲台用クイックリリースプレート
三脚と雲台を素早く脱着するためのシステムもいくつか追加しました。試したのは3つで、KIRKの「TQR-MPS」とSmallRigの「2469」とアルカスイスの「クイックリンク」。
●KIRKのダブテールプレートは何度か仕様変更され、現在では滑落防止機能が原因で、各サイズごとに互換性がなくなってしまいました。私が買ったモデルは取り外し可能なプレートなので良いのですが、素直にお勧め出来なくなったのが残念です。買って良かった度…★★
●SmallRigはKIRKの劣化コピーという感じで、細部の完成度はまだこれからに期待です。価格が安いのでまずはお試し導入であれば良いかもしれません。買って良かった度…★
●アルカスイスのクイックリンクは非常に使いやすくデザインもずば抜けていますが、唯一独自規格ですので、他社との互換性がありません。私は気に入って使っていますが、互換性の問題と、価格が高いという部分で簡単にお勧めはできません。買って良かった度…★★★★
Steadicam Air-15
重い機材を一脚に乗せて使っている時に、高さを変えたい場合はすごく大変です。そんな時に便利なのが、フットペダルを踏むことで自動で高さを上げることが出来る一脚「Steadicam Air-15」です。可変式石突は非常にスムーズで、またガスリフトの脚はパン方向に回転しますので、流し撮りも滑らかにできます。ムービーを撮るという人に特に向いていると思います。ガスリフトスプリング機構が重いため、一脚として可搬性は良いとは言えず、この重さが欠点と言えるでしょう。買って良かった度…★★
GITZO ミニトラベラー GKTBB テーブル三脚
Gitzoらしい上品なカーボンファイバーの脚が格好可愛いミニ三脚。新開発 ”Pull & Fix” 開脚角度セレクターにより、脚を引っぱることで開脚角度の切替ができます。段数が一段しかないミニ三脚だからこそ、こういった操作が便利だと感じました。雲台はアルカスイスP0を連想させるリングロック方式で、ノブなどの突起物が無く、雲台下部のゴムリングを回すことでボールのロックと解除ができます。欠点は雲台がパンできないこと。このおかげでステム(首)を90度傾ける溝の位置を変えることができません。このため重い機材で大きな角度で見上げた時に、重心がもっとも弱い方向にかかってしまい、結果転倒などの可能性が高まります。アルカスイス互換のクランプバージョンが無いのも残念でした。買って良かった度…★★
Really Right Stuff TQC-14 MK2
屋内用に購入しました。もともとアンチセンターポール派の私ですが、この三脚のセンターポールはその中でも「クソ」と呼ぶにふさわしいものでした。いやもうおクソですよ。ロックを緩めると勢いよく落ちるところも怖いし、ショートポールが用意されてないのも不満です。工具がないとセンターポールを抜けないですし、グラウンドレベルにセットするためには、アッパーディスクをさらにクソな取り付け方をしなければいけません。
値段も高すぎますよね。国内で買うと約17万円、ヨドバシなどポイントが付く店舗だと実質15万ちょっとというところ。アメリカ本国から購入するにしても、送料と国内消費税を合わせて11万円くらいと、かなり高額です。
でもこんなに文句ばかり言っているのに、実は結構使っています。そうなんです、結構使いやすいサイズと重さなんです。センターポール以外はとても良い三脚ですので、高さが必要ない方ならTFC-14 Mk2をお勧めします。買って良かった度…★★★
edelkrone FlexTILT HEAD2
動画用の機材でここ数年で名を上げてきたedelkrone(エーデルクローン)。「一脚用ヘッドとして使ったらめっちゃ良いんじゃね?」と思って購入しましたが、結果は驚くほど使いにくくて大失敗。。やはり機材はちゃんとした用途で使うべきですね。買って良かった度…★
ReallyRightStuff Anvil-30 Ballhead
カメラ用ではなくSOARラインの製品で、ミニ三脚のヘッドのBC-18によく似た機構です。「BC-18が使いやすいんだから絶対に便利だろう!」と思って買いましたが、想像以上に重く、そして超絶使いにくく、結局使いこなすことはできませんでした。素直にカメラ用を買った方が良いですね。購入される方は慎重に。買って良かった度…★
Velbon QHD-G7AS
頑なに自社クイックシューにこだわり続け、かつての携帯電話よろしくガラパゴス化していた日本三脚メーカーの雄「Velbon(ベルボン)」。ようやく本格的なアルカスイス互換に参入となりました。全体的に見て良い雲台だと思います。もちろん操作性・ボールの滑らかさはアルカスイスやReally Right Stuffには及びませんし、デザインの格好良さや所有満足度もそんなに高くありません。しかし実勢価格が2万円を切るという強い武器を持っています!すでに上位機種をお持ちの方であれば不満が漏れるかもしれませんが、アルカスイス互換の入門機としてこれから導入される方であればお勧めです。買って良かった度…★★
プロスパイン P-N75ALP
今では伝説となった「erg(エルグ)」の正当後継メーカー「プロスパイン」の3WAY雲台シリーズの一番コンパクトなモデルを購入しました。
このメーカーの面白いところはユーザーの希望に合わせてカスタムして販売しているところです。私も他社のクランプを装着できるようにカスタムしていただきました。他にも自分の使いやすいように改造しており、もはやP-N75ALPの原型を留めていません。正直カスタムしないと使いにくい雲台ってどうなの?って気もしないでもありませんが、格好良いのでオールOKです。買って良かった度…★★★
ARCA-SWISS X-テーブル
注文時、悩みに悩んで購入した物です。正直なところマクロレールの使用頻度ってそんなに高くないですし、それにここまで予算を掛けるのはどうかな?と思っていた訳です。しかし手に入るとそんな悩みも吹き飛んでしまいました。良いですよコレ。ちなみに最初付いていた純正fixクランプはクソという表現でも生ぬるいですね。ウ●コでした。届いて2秒で外してReally Right Stuffのレバークランプに換装しました。気に入ったのでX-テーブル使いたさに、d4GPもCUBE GPもアルカスイス純正クランプに戻しました。マクロ撮影だけではなくブツ撮りにもあると便利なアクセサリーです。買って良かった度…★★★★
PeakDesign キャプチャー
今更感がありますがピークデザインのキャプチャーを導入しました。F-stopのティロパのウエストベルトに装着できるように改造し、プレートはHejnarPHOTO社のキャプチャークランプを使っています。こちらはまだ使っている最中で使用感などは、またいずれご紹介したいと思っています。買って良かった度…★★★
アルミケース AM-37T
細かい機材を収納するために購入しました。貼り付けたステッカーの方がアルミケースの値段を超えているような気がしますが、まぁそこは考えないようにしたいと思います。めちゃ気に入っています。ただロックが結構緩いので屋外に持ち出すって予定のある人は、もう少しちゃんとした物を買った方が良いと思います。買って良かった度…★★★★
カメラバッグ&三脚バッグ
今年はカメラバッグや三脚バッグをたくさん試した1年でもありました。まずはド定番のF-stopのティロパ&三脚バッグ。
「これでもか」というくらい機材が収納できます。専用の三脚バッグも使いやすく気合いを入れてガッツリ撮影する時は重宝しています。機材の保護性と収納力は素晴らしいですが、リュックとしての使いやすさは、まぁまぁという感じです。買って良かった度(ティロパ)…★★ 買って良かった度(三脚バッグ)…★★★★
逆に荷物が少ない時用にEndurance Ext(エクステンド) 8号帆布バージョンを購入しました。
購入後2ヶ月経って気になる欠点は、くたびれ感くらいでしょうか?Endurance Ext (エクステンド) のもっとも優れているのは「総合的に良く出来ている」ことです。サイズ、デザイン、使い勝手、そして何よりバーゲンプライスとも言えるお手頃さは他のカメラバッグにはない魅力でしょう。ひとつ持っておくととても便利なカメラバッグだと思います。買って良かった度…★★★
そしてエンデュランスの帆布バージョンを選んだ一番の理由は、帆布製の三脚バッグをなんとあの一澤帆布でオーダーしていたからです。
使いやすいかと聞かれればハッキリ言って、そんなに使いやすくはないのですが、格好良いから問題ないのです。そう胸を張って言える人だけにお勧めする三脚バッグです。買って良かった度…★★★
一澤信三郎帆布ご注文フォーム→ https://www.ichizawa.co.jp/order/
そして一番使用頻度が高いバッグがMYSTERY RANCH(ミステリーランチ)の2DAY ASSAULT(ツーデーアサルト)です。
もうこのデザインだけでご飯が5杯くらいおかわり出来そうです。このバッグのモールにあれこれ付けたくて、マグライトやバッテリーストレージなど色々と買ってしまいました。バッグを床に置いた時の不安定さが不満ですが、それ以外はとても気に入ってます。買って良かった度(2デーアサルト)…★★★★ 買って良かった度(マグライト)…★★★★★ 買って良かった度(バッテリーストレージ)…★★★★★
実はもうひとつ買ったバッグがありました。MYSTERY RANCH(ミステリーランチ)のRATSです。
ガバッと開ける仕様とカモフラのデザインに惚れて購入したのですが、カメラ用のインナーケースを入れるにはマチが狭すぎました。どう工夫しても上手く収納することができず、めちゃくちゃ格好良かったので悩みましたが、使わないリュックを置いておくスペースもないので泣く泣く手放しました。買って良かった度…★
Phottix M180 LED LIGHT
動画撮影用に購入しましたが、意外と使い勝手が良いので、屋外の撮影にも持ち出しています。ブツ撮りでほんのちょっと明るさが欲しい時にも便利。いざという時のモバイルバッテリーとしても使えます。買って良かった度…★★★★
クラフター スツール L
使い勝手を重視した万能なスツールで持ち運びにも優れ、脚立として、折りたたみ椅子として使用できます。耐荷重は80kgまで可能で、平均的な体重の大人が乗っても全然大丈夫です。実際の使用感もしっかりしていて、500円程度で売っている安物スツールと比べて頑丈だと思います。高さ39cmもあるので、ロング三脚をお使いの方は持っていて損はないと思います。買って良かった度…★★★★
撮影時のガラスの映り込み対策グッズ
展望室など屋内から撮影するときに邪魔になるのがガラスの映り込みです。このような映り込みを対処するために、いくつかご紹介しました。というか買ったものは安物のシリコンレンズフードだけでしたが、これはちょっとレンズを傾けるとケラれるものでした。その後、友人に借りて試したところ「レンズスカート」がもっとも良い結果になりました。買って良かった度(シリコンレンズフード)…★ 買って良い度(レンズスカート)…★★★★★
エツミのスマホホルダーSH-5
アルカスイス互換で軽くてコンパクトで、そして安い、しかもリモコン付きというスマホホルダーがエツミ(Etsumi)から発売されたと聞き、マッハで買いました。品質や使い勝手はまぁまぁですが、気軽にバッグに入れておくといざという時にとても便利です。買って良かった度…★★★
マムート ドリンクホルダー
これはめっちゃ使いやすいです。今まで違うホルダーをいくつか使ってきましたが、その全部霞んで見えるほど。超お勧めです。買って良かった度…★★★★★
Manfrotto XUME
購入したのは昨年の12月でしたが、昨年の記事に入ってなかったので、今年の買い物に含めます。マグネット式で脱着が非常にスムーズなフィルターシステムです。これは革新的だと思って買いましたが、標準ズームレンズでも広角側だとケラれるという残念な商品でした。ステップアップリングを使って大きめのフィルターで運用するなら対策できると思いますが、結局それでは取り付けが面倒臭いことには変わりないので、今度はバヨネット式で作ってほしいですね。買って良かった度…★★
Nikon Zマウント 標準ズームレンズ
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S と NIKKOR Z 24-70mm f/4 S 両方購入して試してみました。
結論を先に言うならF4は結構早い段階で売却してしまいました。私自身、コンパクトで軽量というメリットをフルサイズには求めていないということが、今回の検証でよく分かりました。値段が高いには高いなりの理由があるのですね。買って良かった度(F/4)…★★ 買って良かった度(F/2.8)…★★★★
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S / NIKKOR Z 24-70mm f/4 S を少し使って思ったこと
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
Z14-24mm F/2.8Sが発売されるまで待とうかと思いましたが、まだまだ先が長そうなので買うことにしました。素直な感想としては気持ち悪いくらい歪みがなく逆光に強いレンズです。フィルターを付けれますし、軽くて扱いやすくて良いレンズだと思います。買って良かった度…★★★
安原製作所 ANTHY35
伝説の銘カメラ「安原一式」の安原製作所が放つマニュアル単焦点レンズ「ANTHY」シリーズの第一弾。私がZマウントでは日本第一号ユーザーです。クセが強いレンズですが、非常に味わいのある描写をしてくれます。シンプルながら細部の完成度が高く、満足度の高いレンズです。作例は以下のURLにてご覧ください。買って良かった度…★★★
MEiKE MACRO LENS 85mm f/2.8
香港MEIKE デジタルテクノロジー社から発売されたマニュアルマクロレンズ「MEiKE MACRO LENS 85mm f/2.8」。描写性能はめちゃくちゃ良いとは言えませんが、1.5倍マクロは凄く寄れるので使っていて楽しいです。ブツ撮りレンズとしてもそこそこ使えます。買って良かった度…★★
Nikon Z50
今年買った唯一のカメラボディはニコン初となるのミラーレスAPS-C機「Z50」です。非常にコンパクトなのでボディバッグに入れて持ち歩いています。優等生的ではありますが、超絶魅力があるカメラかと言えば、そうでもありません。キットレンズも前評判ほどではなく、Z6の時と違ってちっとも期待を超えなかったカメラです。嫌いではないですけどね。買って良かった度…★★
今年も振り返ってみると結構買っていましたね。去年と違って今年は売れる物を大量に処分したので、買っていないと錯覚していました。
ちなみに今年買った物は結構長く付き合いそうな物がありました。特にカメラバッグと三脚バッグは長く頑張ってくれそうです。三脚と雲台はそんなに革新的なモデルには恵まれませんでした。昨年も似たようなことを書いているので、2年連続で心踊る製品が出てこなかったということになります。三脚界隈と言えばもうすぐピークデザインの三脚がリリースされますね。スペック的にはZ50用になりそうですが、そちらに期待したいと思います。


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